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I理論Q&A

Q 自分で9代血統表をつくるためには、どんな資料が必要ですか?

A 「ファミリーテーブル」、「サラブレッド血統大系」、「日本の種牡馬録」、「輸入馬血統表」などを揃えればほぼ日本国内の馬の9代血統表を作成できますが、個人で揃えるには大変高価な上、それだけでは、オセアニア、南米などの特殊な血統を調べるのは困難です。最近では、国内、海外を問わず、インターネットで血統を簡単に調べられるサイトが充実してきていますので、それを利用されるとよいでしょう。

Q 「I理論」と「IK理論」という表記を見かけますが、どちらが正しいのですか?

A IK血統研究所では、五十嵐理論を略して「I理論」と呼んでいて、「IK理論」という言葉は使っていません。ただし、「チェック8項目」、「日本適性」、「成長力」といった項目は、一般に広く理解されやすいといった意図により、久米裕が整理・分類したもので、その中でも「日本適性」という項目は、海外と日本の馬場差により生じるスピード・スタミナ比率を考慮し、設定したものです。その点では独自性を加えていると言えるかもしれません。とはいうものの、それらの判断基準はあくまでも五十嵐理論であり、正しくは「I理論」です。

Q 9代血統分析表上では、Hyperionの★とか、Teddyの▽のように、いつも同じマークが使われているように思いますが、馬ごとにマークは決まっているのですか?

 クロス馬のマークは、血統表を一目でわかりやすいように付けているもので、必ず同じマークでなければならないというわけではありません。とはいえ、9代血統表の中に現れる血は、めまぐるしく移り変わるわけではないので、現在私たちが分析・検証している世代の血ならば、必然的にマークは同じであるほうが合理的です。

 以前は「8代クロス」といっていたと思うのですが、いつから「9代」になったのですか、そしてその理由は?

 もともと、五十嵐理論は1970年頃の世界の名馬を基準に構築された理論で、当時の血統構成は、土台構造となるSt.Simon−Galopin、Bay Ronald−Hampton、Bend Orといった血が比較的新しい世代に存在していたため、血の結合がほぼ8代目で完了する構造になるケースが多く、血統表を8代までしか書き込んでいなかったことから、どこからともなく「8代クロス」と呼ばれるようになったのかもしれません。しかし、五十嵐氏は、初めて一般に公表された『競馬ブック』誌上における論文、および他の研究論文においても、当初から「9代」までの検証の必要性を説いており、血統表の記入は8代まででも、クロス馬は必ず9代まで検証していました。

 「クロス馬集計表」とは何ですか? クロス馬マーク付9代血統表とは違うものですか?

 「クロス馬集計表」とは、クロス馬すべてについて、祖父母4頭のどの世代にどれだけの数が配置されているかをわかりやすくまとめたもので、9代分析表を補完する役割を果たしています。

 主導勢力はシンプルなほうがよいということは、主導が2つ以上あると、3Aとか2A級の評価にはなれないということですか?

 必ずしもそうではありません。たとえ主導が複数存在する場合でも、それらが近い世代で相互に結合し、強固な連動体制ができていれば、連合勢力として十分に主導の役割を果たすと判断しています。代表的な例としては、Alibhai、Roman、Nearcoを主導としたナリタタイシンがあげられます。

 主導勢力のクロス形態は、「系列ぐるみ」でなくとも、「単一」や「中間断絶」でも良血馬になりえますか?

 もちろん「単一」や「中間断絶」が主導の良血馬も数多くいます。たとえ主導が系列ぐるみでなくとも、「単一」や「中間断絶」クロス内にほとんどのクロス馬が集結し、連動する構造ができあがっていれば、有効な主導勢力とみなします。最近では、サイレンススズカがTurn-toの中間断絶を主導とする血統構成を持っており、かつてはトウカイテイオーがMilesianの単一クロスを主導としていました。

 母方で継続するクロスも「系列ぐるみ」になるのですか。母系の系列ぐるみクロスを主導にした名馬の例はありますか?

 I理論では、牡馬、牝馬に関係なくクロス馬として扱いますので、系列ぐるみと判断します。ただし、クロス馬になる牝馬は、牡馬に比べて圧倒的に数が少なく、必然的に牝馬クロスだけで系列ぐるみになるケースも少なくなります。したがって、名馬の出現率は低いといわざるを得ませんが、理論上は出現しても不思議ではありません。

 主導勢力になる馬の顔ぶれは時代とともに変化するものですか?

 もちろん世代とともに変わってゆきます。例えば30年ほど前はBlandford、Gainsboroughが多く、15年ほど前からはNasrullah、Nearco、Hyperionが主流となってきました。そして現代ではNorthern Dancer、Nearctic、Bold Ruler、Hail to Reasonといった馬たちが主導になるケースが増えています。さらに今後は、Mr.ProspectorやNijinsky、Lyphard、NureyevといったNorthern Dancerの直仔の主導も増えてくるでしょう。

 Nasrullahが主導になるとよくないようなコメントをよく見かけますが、Nasrullah主導の良血馬はいないのですか?

 Nasrullah自身の血統構成は、Hyperion、Nearcoほど良質とはいえませんが、スピードを伝える血として、現代では欠くことのできない血となっています。ただし、Nasrullahのスピードをアシストする良質なスタミナの核がなければ、単なる早熟のスピードタイプで終わってしまうケースが多く見られるのも事実です。つまり、決してNasrullah主導が悪いということではなく、そのスピードを持続させる良質なスタミナの核を備えていなければならないのです。その条件を満たした良血馬には、サクラスターオー、マヤノトップガンなどがいます。

 サンデーサイレンス産駒では、牝馬のAlmahmoudが主導になるケースが多いと思いますが、主導勢力になる馬はは牝馬よりも牡馬のほうがよいというようなことはありますか?

 主導勢力は、牝馬より牡馬のほうが圧倒的に多いのは事実ですが、例え牝馬でも、自身の血統構成がすぐれていて、他のクロス馬との連動態勢を築ける血であれば、まったく問題ありません。Almahmoudは、自身の血統構成はさほどすぐれているとは言えず、より上位を狙うのであれば、Almahmoudを主導とすることはベストではありません。しかし、時代の趨勢から、欧米の血をまとめやすいという特徴を持っており、主導としての効果はあります。

 ノーザンテーストは、過去11年間も日本のトップ種牡馬の座を守ったのだから、いずれ内国産馬の中で主導勢力になると思うのですが、そういうタイプの馬が出現するとしたらいつごろからですか?

 最近になってノーザンテーストのクロスが見られるようになってきました。ただし、勝ち上がった馬の中では、まだ系列ぐるみになったケースはありません。また、活躍馬もツルマルザムライが短距離で準オープンクラスにいる程度です。ちなみに、これまで日本の歴代リーディングサイアーの中では、ライジングフレーム、トサミドリ、チャイナロック、テスコボーイ、ネヴァービート、パーソロンなどが主導になるケースがありますが、いずれも活躍馬を多数輩出するほどの成功は見られません。

 クロス馬の世代が、父方と母方で2代以上離れると「世代ズレ」になって、遺伝効果がないというのはなぜですか? 2代以上離れていても、遺伝効果が発揮されていると判断できるケースはないのですか?

 五十嵐氏は当初世代ズレという考えかたをしていませんでしたが、分析の頭数が増えるにつれ、父母間で世代がズレている場合、能力判定に誤差がでやすいことに気付きました。そして、相当数の分析表を検証した結果、2世代間が開いた場合、クロス馬として扱わないほうが、実際の能力と分析表から推定される能力と一致しやすいという結論に達しました。ただし、2世代開いた場合でも、その系統が全体の中で多数派を占めている場合や、クロス馬の種類が少ない場合、その他位置関係などにより、遺伝効果があると判断する場合もあります。

 血の結合が「直接的」と「間接的」というのは、どういう違いがあるのですか?

 例えばAとBという馬がいて、両者が共通の祖先を持つ場合や、AがBの血統内に含まれる場合などは、直接結合していると表現します。AとBが共通の祖先を持たない場合でも、AB両者がCという別な馬と結合している場合、AとBはCという馬を介して間接的に結合していると表現します。やはり、直接的な結合のほうが間接的な結合よりも強固で、望ましい形態といえます。

 「HyperionとMahmoudは血の相性がよい」というのは、どういう意味ですか? 他にも、相性のよい組み合わせの例は?

 Hyperionは父に、Mahmoudは母の父にGainsboroughを共有するため、両者は非常に近い世代で強固な結合状態となり、HyperionのスタミナとMahmoudのスピードが一体となる形態ができあがります。他にも、HyperionとMenowも前者の母、後者の母の母がSeleneのため、強固な結合でスタミナとスピードが一体となる形態となります。

 現在の日本の種牡馬とBMSの関係で、ニックスといえるものはありますか?

 日本では一般的にサクラユタカオー×BMSノーザンテースト、リアルシャダイ×BMSノーザンテーストなどは代表的なニックスの例として語られますが、I理論から見た場合、お互いのよさを生かしきれる組み合わせとは言えません。世界的にニックスの代表例として語られる、かつてのNasrullah×Princequilloの組み合わせも同様です。ブライアンズタイム×BMSマルゼンスキー、ジェイドロバリー×BMSリアルシャダイといった組み合わせなら、お互いのよさをほぼ生かすことができます。ただし、その場合でも、残り1/4の部分の傾向が合っているかどうかによって、能力に大きな差異を生じることは言うまでもないでしょう。

 I理論では、近親交配と異系交配のどちらを重視するのですか?

 どちらを重視するということはありません。とはいえ、異系交配のほうが調整や馬体の維持がしやすく、成績も安定しやすいという傾向があり、究極的には異系交配のほうが理想です。一つ付け加えると、一般的には近親交配として扱われる場合でも、5代以内のクロス馬が単一や中間断絶のみの場合は、五十嵐理論では実質異系交配として扱います。

 近親交配と異系交配では、種牡馬になったとき、成功の可能性に違いがありますか?

 異系交配の馬は、もともと5代以内にクロス馬がいないため、ランダムに配合した場合、繁殖牝馬の影響が強くなる可能性が高く、自身の特徴を引き継ぎ、その影響を強く出すことが難しくなります。逆に近親度の強かった馬は、種牡馬となって世代が1つ後退した時にも、自身の特徴を再現しやすくなるため、種牡馬として成功する可能性も高くなります。例えば近年のリーディングサイアーランク上位を見ると、サンデーサイレンスはMahmoudの4×5、ブライアンズタイムはSir Gallahad(=Bull Dog)の5×5・5、トニービンはHyperionの5×3・5、ノーザンテーストはLady Angelaの3×2といったクロスを持つ近親交配です。

 5代以内に異なる種類のクロスが多いとなぜいけないのですか。競走能力にどんな影響があるのですか?

 5代以内に異なる種類のクロス馬が多いと、主導が不明確になり、ツメの甘さが見られたり、調子の維持が難しく、成績が不安定になるケース多く見られます。現役馬で言えば、キングヘイロー、アンブラスモア、ラスカルスズカなどが、5代以内で異なる種類のクロスを多用した成功例といえるかもしれません。しかし、これまでの歴史をみると、名馬と呼ぶにふさわしい馬の出現率は非常に低くなっています。

 「日本向適性」は8項目のどれと関連が高いのですか?

 どの項目の評価が高ければ日本適性が高くなるということはありませんが、典型的なパターンとしは、@主導がNasrullah、Almahmoudなどのスピード系で、その存在が明確であり、さらにB結合がよければ、C弱点・欠陥やF質・傾向の評価が低く、上質なスタミナの核を持たない場合でも、日本ではある程度上位クラスで活躍する傾向があります。

 「成長力」と関連の高いのは、8項目のどの要素ですか?

 これは主にC弱点・欠陥、F質・傾向、Gスピード・スタミナの項目に関係しています。弱点・欠陥がなく、父母の傾向が合っていて、生きている血の質が高く、上質なスタミナの核を備えていれば、成長力があるという判断をします。

 「日本適性」と「成長力」は、相反する要素ですか。「日本適性」が高くて、「成長力」のある馬もありえますか?

 上記の2問の答えを見ればおわかりでしょうが、基本的には相反する要素といえるでしょう。ただし、ケースとしては非常に少ないものの、スティンガーは、Mahmoudを主導にサンデーサイレンスのスピードを再現し、さらにBMS=Affirmedの質の高いスタミナのアシストを受けているので、「日本適性」、「成長力」ともに高い評価をしています。

 「スタミナ不足」と「スピードタイプ」とは同じことですか。スタミナがあるスピードタイプという馬もいるのでしょうか?

 まったく同じとは言えません。「スタミナ不足」と表現される場合でも、スピードの血も中途半端な場合もありますし、スピードタイプとはいっても、十分なスタミナに裏打ちされた優秀な血統構成を持つ馬もいます。その典型がビワハヤヒデ、スティンガーなどです。

 I理論から見た世界の名馬ベストテンというと、どんな顔ぶれになりますか?

 五十嵐先生があげた歴代の古典的名馬10傑を紹介します。 1、Ribot(1952年生、イタリア産) 2、Sea Bird(1962年生、フランス産) 3、Spectacular Bid(1976年生、アメリカ産) 4、Secretariat(1970年生、アメリカ産) 5、Kelso(1957年生、アメリカ産) 6、Shareef Dancer(1980年生、アメリカ産) 7、Arts and Letters(1966年生、アメリカ産) 8、Forego(1970年生、アメリカ産) 9、Tantieme(1947年生、フランス産) 10、Native Dancer(1950年生、アメリカ産)

 「アメリカ系の血」とか「ヨーロッパ系の血」とは、どうやって区別するのですか?

 「アメリカ系の血」、「ヨーロッパ系の血」という区別は、血統を説明するときの便宜上使っています。「アメリカ系の血」というのは、もともとはヨーロッパで培ってきた血がアメリカに輸出されて、アメリカで独自に発展してきた血のことで、代表的な血としてはMan o'War、Black Toneyなどがあげられます。もともとはそれらもヨーロッパ系の血のため、20年ほど前までは近い世代に共通の血があり、結合力が弱くなるということはなかったのですが、最近では、Man o'WarやBlack Toneyといった血は7代、8代に位置することが多く、ヨーロッパ系の血と結合する役割を果たすBend Or、Galopinなどが10代目以降に後退し、結合が不完全になるケースが多くなっています。とはいえ、現在は逆にアメリカ系の血がヨーロッパでも勢力を拡大しているので、あと10年もすれば、両者の区別は必要なくなっているかもしれません。

 《クロス★マーク》で9代血統表は作成できるようになりましたが、自分で血統評価をできるようになるためには、どういう勉強が必要ですか? 効果的な方法はありますか?

 まず、9代分析表を見て、自分なりに血統評価を書いてみて、その後、「詳細データ」に収録されている久米裕の評価と見比べてみるのがよいでしょう。個人差はあると思いますが、100頭ほどこの作業を繰り返せば、ある程度ご自分でも評価をくだせるようになってくると思います。

 「東京スポーツ」などに掲載されている簡易評価とは、詳細な評価とはどう違うのですか?

 「東京スポーツ」、「大阪スポーツ」の新馬戦の評価は、多少なりとも新馬戦ということを意識した評価になっています。もちろん、1Bの馬がいくら仕上がりが早そうでも、配合「○」という評価はしませんが、勝ち上がり後に公表する正式な評価と完全に一致するわけではありません。また、出走馬が毎週木曜日の16時に確定して、当日の19時が原稿締め切りというタイトなスケジュールの中で評価をしていますので、じっくり詳細に検討している時間的余裕がないことから、簡易評価にとどめているという面もあります。

 I理論の血統評価が自動判定できるようになる可能性は? そういう方向の研究もされているのですか?

 この9月に「日本サラブレッド血統データベース 〜五十嵐理論による評価〜」が(株)アンバランスから発売になりました。このソフトには、I理論の自動評価機能が搭載されています。とはいえ、まだまだ「思考ロジック」の評価精度は低く、信頼に足るレベルに達しているとは言えません。「思考ロジック」の部分は現在も改良中で、徐々にバージョンアップを重ねていかなければならない大きな課題です。

 「土台構造」とはどういう役割を果たしているのですか?

 「土台構造」というのは、建築物でいえば、基礎を固める土台であり、地盤がしっかりしていることが必要です。つまり、同一の血が血統全体に多数存在し(主に7〜9代目)、全体を統一する役目を果たす構造のことで、現在では、主にSt.Simon、Bay Ronaldなどがこの役割を担っています。ただし、近年ではこれらの血が10代目以降に消え去り、土台構造が希薄になってしまうケースが多くなっています。土台構造が弱いと、反応が鈍かったり、成長力に欠けるなどのマイナス効果につながります。現在は、いわば次世代の土台構造が登場するまでの過渡期で、今後は、Pharos−Phalaris、Hyperion−Gainsborough、Blandfordなどが土台構造の役目を担っていくことになるでしょう。

 これから主導勢力として大きな役割を果たすのはどんな馬たちですか?

 今ではまだ、Nasrullah−Nearco、Hyperionが主流ですが、Bold Ruler、Nashua、Northern Dancer、Raise a Native−Native Dancerなどが系列ぐるみで主導になる配合も急速に増えてきています。さらに、今後はRobertoやHaloといったHail to Reason系、Northern Dancerの直仔のNijinsky、Nureyev、Lyphard、Danzig、またはMr.Prospector、Buckpasserの系列ぐるみなども登場してくるはずです。

 I理論では、全兄弟(姉妹)は同じ血統構成、したがって能力も同じという判断をしていますが、これは変わることはないのですか。全兄弟(姉妹)の間の差異を見つけ出す可能性は?

 全兄弟を同じ血とみなし、能力も同レベルとして扱うという点は、分析表のみを頼りとして競走馬の能力を推定する五十嵐理論の限界を示す典型的な例でもあります。これは、やはり科学の分野での遺伝子研究のレベルの向上を待たなければならないかもしれません。

 3A〜Cの7段階で、各評価レベルの占める比率は、どの世代も同じなのですか?

 これまで、6年間「血統」クラシックロードで勝ち上がり全馬の血統評価を公開してきましたが、ほぼどの世代も同じような分布を示しています。ただし、年を重ねるにつれて、3A、2A、1Aといった高評価の馬の割合が減少し、2B、1Bクラスの馬が増えてきているのも事実です。

 祖父母4頭のうち1頭だけの影響力が強く、他の3頭の影響力がほぼ均衡している型(異系交配のRibot−Sea Bird型と近親交配のSassafras型)の場合、影響力の強い1頭は、父の父、父の母、母の父、母の母の4頭のどれがなるかで違いはありますか?

 違いはありません。ただし、強調する箇所は4つの内でもっとも質の高いところであることが理想的です。逆に、質の低い箇所を強調してしまうと、他の血のよさを半減させてしまうことになります。

 同じ馬同士のクロスと、全兄弟(姉妹)同士のクロスでは、遺伝効果に違いがあるのですか?

 五十嵐理論では、同一馬のクロスと全兄弟同士のクロスを同一の遺伝効果として扱います。五十嵐理論は世界の名馬を数多く分析して、共通の特徴を抽出してできた理論であることは、すでにご説明した通りですが、その研究を続けている中で、両者を同一馬として扱っても特に不具合はなく、むしろ、同一として扱うほうが納得できる事例が多いことから、同一の馬として扱うことにしています。

 I理論は完成した理論ですか。それともこれからも発展や改良の余地があるのですか?

 もちろん現段階でも他に類を見ないほどの精度を備えた血統理論ではありますが、完成しているとは言えません。時代とともに新しい形態の配合は登場してきますし、新たな評価基準の発見もあるかもしれません。そのため、これからも試行錯誤を繰り返しながら、改良・発展させていかなければならないと考えています。


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