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| 五十嵐理論(I理論)の解説 ■ フレームワーク 「サラブレッドの競走能力の遺伝は、父の血統と母の血統に、それぞれ存在する同一の祖先によってのみ行われる。したがって、これらの同一の祖先こそ、サラブレッドの競走能力を遺伝させる遺伝因子なのである」 この五十嵐良治氏の言葉に、I理論の構造が集約されています。「父と母の血統に、それぞれ存在する同一の祖先」を《クロス馬》と称し、血統表によって、その出現・配置状況を9代までさかのぼって調べます。これによって、その馬の血統的な競走能力の可能性を、さらに距離適性や成長力などの特徴を、事前に(レース前でも、あるいは配合段階でも)、かなりの精度で推測することが可能になります。 ■ クロス馬の指定のルール クロス馬になるのは、先述したように「父方と母方の双方に共通して存在する祖先」だけであって、父方か、母方のどちらか片方にだけ存在するのでは、たとえ何回出現してもクロス馬としては扱いません。ある馬がクロス馬になると、当然のことながらその父母・祖父母、曾祖父母なども共通して存在しますが、それをそのままクロス馬にするということはありません。 例えば、Nasrullahが父方4代と母方5代にあるとすると、このNasrullahは、「父方と母方に共通して存在する祖先」として、クロス馬になります。しかし、Nasrullahの父であるNearcoや、その父Pharos、曾祖父Phalarisなどは、Nasrullahがクロス馬になったことで、自動的にクロス馬になるわけではありません。Nasrullahの父Nearcoは、Nasrullah以外の馬の父親として相手側に存在する場合にのみクロス馬になる、というのがI理論のルールです。つまり、Nasrullahの父としての他に、Nearcticなどの父として存在する場合に、初めてクロス馬になります。同様に、Nearcoの父Pharosも、Nearcoの父として以外に、Pharisなどの父として存在すればクロス馬の扱いになります。さらに、Pharosの父のPhalarisについても同様のことがいえます。 ■ 全兄弟(姉妹)の扱いについて競走馬の場合、母が同じで父が違う場合は半兄弟(姉妹)、父母とも同じ場合を全兄弟(姉妹)と呼びます。代表的な例としてPharosとFairwayが挙げられます。両馬はともに父がPhalarisで、母がScapa
Flow。すなわち、PharosとFairwayは全兄弟になります。そして、I理論では、全兄弟(姉妹)は「同じ血」として扱います。したがって、PharosとFairwayのように同じ父と同じ母をもつ別の名前の馬が、父方と母方に分かれて存在する場合、これらは同じ血として考えるため、クロス馬として扱います。
■ クロス馬の形態とその遺伝効果Nasrullah−Nearco−Pharos−Phalarisというように、何代にもわたって連続してクロスができる形態を、Nasrullahの「系列ぐるみのクロス」と呼びます。
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